WS 2012 R2 Essentials スタートパッドの共有フォルダーは分散ファイル システムで管理されている


Windows Server 2012 R2 Essentials のドメインに参加しているクライアントPCには、スタートパッドが必ずインストールされています。※ドメインに参加できない一部OSにもインストールは可能ですけど。
スタート パッドからいくつかの機能にアクセスできますが、ユーザが一番利用するのは[共有フォルダー]ではないでしょうか。
今回は、スタートパッドの[共有フォルダー]に使用されているテクノロジーについてメモ。
触れば触るほど面白いですね、Windows Server 2012 R2 Essentialsは!
2014.07.23 修正
「DFSの管理」画面から設定できる事が分かったため、タイトルと本文を修正しました
旧タイトル:「WS 2012 R2 Essentials スタートパッドの共有フォルダーは分散ファイル システムとジャンクションで構成されている」

ユーザが見ている[共有フォルダー]の実態はどこ?

スタートパッドを表示させ[共有フォルダー]をクリックすると
\\ServerName\Shared Folders
の一覧が表示されます。
2014-07-19_202944
エクスプローラの[ネットワークの場所]の[共有フォルダー]をダブルクリックすると
共有フォルダー(実態は\\ServerName\Shared Foldersです)
の一覧が表示されます。
2014-07-19_203516
Windows Server 2012 R2 Essentials に登録されている共有フォルダは多数ありますが、
サーバー フォルダー※をまとめた場所が[Shared Folders]
になります。
※ここでいうサーバー フォルダーとは、[クライアント コンピューター バックアップ]、[ファイル履歴のバックアップ]、[フォルダー リダイレクト]以外のサーバー フォルダーの事を指し示します。
赤枠の共有フォルダ全てが青枠の共有フォルダに格納されていると思ってください。
image
なお、上記画像にある共有フォルダのうち数個は私が設定したサーバー フォルダーであり、標準状態は別です。

なんだ、そのショートカットのマークは?

[Shared Folders]を覗くと、「各共有フォルダのアイコンにショートカット マーク」が表示されています。

コマンドプロンプトから確認するとDirectoryと表示されています。
2014-07-19_200914
今度はPowerShellで確認してみましょう。
属性(Attributes)を見ると、[Directory, ReparsePoint]と書かれています。
そう、[Shared Folders]配下の共有フォルダはリンクである事が分かります。
2014-07-19_205328

[Shared Folders]配下のリンク=DFS+ジャンクション?!

2014.07.23 [DFSの管理]画面から設定できる事が分かったため、本文を修正しました。
[Shared Folders]配下のリンクはどこに格納され、どのように作成しているのか?
色々と調査・テストした結果、
  • DFS スタンドアロンの名前空間を利用し
  • [C:\DFSRoots\Shared Folder]に各フォルダを格納している
事が分かりました。

していると予想しています。

管理者でコマンドプロンプトを実行し、下記コマンドを実行してみます。
mklink /J "c:\DFSRoots\Shared Folders\TEST” “H:\TEST”
2014-07-19_232639
スタートパッドから確認するとTEST フォルダのジャンクションが作成されており、データにアクセスできるようになりました。
2014-07-19_234238
試しに、シンボリック リンクを作成してみました。
シンボリック リンクは作成されるものの、リンクをダブルクリックすると「シンボリック リンクの種類が無効なため、リンク先に接続できません。」のエラー メッセージが表示されました。
2014-07-19_232712
2014-07-19_213604
以上より、[Shared Folders]配下のリンクは
  1. 分散ファイル システム(Distributed File System:DFS)
  2. スタンドアロンな名前空間
  3. ディレクトリ ジャンクション
のテクノロジーにより構成されていると予想しています。
本来は、ダッシュボードから[サーバー フォルダー]を作成すると共有フォルダの作成と同時に[Shared Folders]配下にリンクが作成されます。
何かを設定するための内容ではなく、「どのようにして実現しているのか?」を確認するための内容になります。
手動であれこれを行うとシステムの整合性が取れなくなり、そこが問題になり得ます。
本内容は情報程度に留めてくださいね。
余談:ReparsePoint(リパース・ポイント)とは?
リパースは日本語で「再解析」の意味です。
古くはWindows 2000時代からある機能で、「ほかのドライブをNTFSボリューム中の任意のサブ・フォルダに割り当てること」が出来ます。
ジャンクション機能を使ってフォルダをマウントする
日経Windowsプロさんの用語集「リパース・ポイントとは」によると
ファイル・システムに記録されているリパース(再解析)という拡張属性を利用して,あたかも別の場所に,フォルダやドライブが存在するかのように見せる機能。Windows 2000から利用できる。「ジャンクション・ポイント」や「マウントされたドライブ」という名前で呼ばれることもある。
と説明されています。
今回出てきたディレクトリ ジャンクションやシンボリック リンクは、リパース・ポイント 機能を利用しているようです。
まだまだ知らない事ばかりですね。
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